Q1「なぜ歯周病で歯が抜ける?」

Answer

30歳を過ぎた成人の歯が抜ける原因の9割は歯周病です。

また、55歳から65歳の間に日本人の2人に1人は入れ歯になっています。

歯周病とはいったいどんな病気なのでしょうか。

何が原因で、どのようにして起こるのでしょうか。

どうやって治療すればよいのでしょうか。

 

歯周病は、もともと患者さんの口の中にいる常在菌と呼ばれる細菌の感染症です。

この細菌は、嫌気状態(空気に触れない状態)を好むため、

歯と歯ぐきの間の歯周ポケットと呼ばれる溝の中や、歯並びが悪い歯の間、

そしてかぶせ物の隙間などで繁殖します。 

繁殖した細菌はLPS(リポ多糖)という毒素を出します。

そして、歯を支えている結合組織や骨を破壊してゆきます。

組織が破壊されて、ポケットはさらに深くなり、より空気に触れない環境の中で、

さらに細菌は増殖し、さらにポケットは深く…という悪循環を繰り返し、

最後に歯が抜けてしまうのです。

 

Q2「歯みがきを一生懸命やっているのに歯周病になるのは?」

Answer

歯周治療を、歯石除去や一生懸命歯磨きする事と思っている患者さんが多くいらっしゃいます。

でもこれは間違いです。

歯石は歯の表面に唾液中のカルシウム成分が石のようになって付着したもので、

歯石自体は細菌ではありません。

除去することで歯の表面が滑らかになり、プラークを着きにくくする効果はありますが、

歯周病の細菌を除去しているのではありません。 

歯磨きは、虫歯の原因菌の除去にはなっても、歯周病の直接の予防にはなりません。

歯周病のごく初期の段階では、歯磨きも有効です。

しかし歯ブラシの毛先はポケットの深さ2ミリまでしか到達しないことが実験の結果わかりました。

 

2ミリ以上の深さになると、歯周病科で専用の器具を使ってポケット内を消毒しなければ

細菌を除去できません。

4ミリを超えてしまった場合は、メスを入れて歯肉を切開して、健康な歯肉の状態に

近づける手術が必要です。

 

歯石の除去は清掃器具の到達を助ける効果はありますが、歯石が歯周病の直接

の原因ではありません。

歯周ポケット内の細菌性プラークが原因です。

ポケットの中で繁殖した細菌は歯を支えている結合組織や骨を破壊してゆきます。

組織が破壊されて、ポケットはさらに深くなり、より空気に触れない環境の中で、

さらに細菌は増殖し、さらにポケットは深く・・・という悪循環を繰り返し、

最後に歯が抜けてしまうのです。

 

Q3「歯周病ってどんな治療をするの?」

Answer

歯周病の原因は細菌です。

この細菌が繁殖できない健康な環境に口の中を変えてゆくのが歯周治療です。

毎日食事をすると、そのつど口の中は汚れます。

歯磨きはもちろんのこと、歯周病菌を毎日清掃で除去しなくてはなりません。

これは歯周治療を行う上で毎日やらないといけない事です。 

 

しかし、歯並びが悪かったり、かぶせ物が合っていなかったりすると、清掃器具は入りません。

また歯周ポケットも深くなると清掃器具の毛先が届きません。

このような状態を、清掃器具が届く健康な状態に変えてゆくのが歯周治療です。

かぶせ物を清掃しやすい形や材料に変えます。

歯並びが悪い場合は、歯列矯正が必要です。

深いポケットは歯周手術をして健康な歯肉に近づけます。

 

Q4「歯周病を治療しなかったらどうなるの?」

Answer

歯周病は自然治癒することがありません。

またサイレントディジーズ(Silent Disease:静かなる病気)とも表現されるように

ひどくなるまで病気と自覚されることの少ない病気です。

そのまま放置しておくとその歯の寿命が短くなるばかりか、

健康な歯にも悪影響を及ぼし、お口の中全体が悪くなっていきます。

また最近では、全身疾患との関係も明らかになってきており、

まさに「歯周病は万病のもと」とも言えるでしょう。

 

Q5「歯周病の治療はどのくらいの期間かかるの?」

Answer

歯周治療は歯ぐきの治り方やブラッシングの状態を確認しながら、

次のステップの治療へ移行しますので、初期の歯肉炎であれば、

比較的短期間で終了することもありますが、中等度以上の歯周病の場合には、

病状の程度にもよりますが、比較的長期にわたる場合が多いいようです。

治療後も引き続きメインテナンスが不可欠で、定期的な受診が必要です。

 

Q6「歯周病の予防はどうしたらよいのでしょうか?」

 

Answer

歯周病の原因は歯垢(プラーク)です。

これがたまらないようにすることが基本です。

そのためにはまず、正しい歯磨きの方法をおぼえることが大切です。

しかし、正しく磨いているつもりでも苦手な部分や自分では磨きにくい部分があったり、

各個人の歯ぐきの状態によって、それぞれ微妙に磨き方が異なっていたりするので、

定期的に歯医者さんに行って、正しく歯ブラシが行われているのかチェック及び

磨きにくい部分の専門的な口腔内の清掃、そして口の中の良い環境をつくるために

歯石除去を行ってもらうと良いでしょう。

 

Q7「電動歯ブラシだけで歯周病予防は万全ですか?」

Answer

電動歯ブラシも手動歯ブラシも同じブラッシングの道具です。

正しく使うことが大切で、どちらが効果があるとはいえません。

また個人差はありますが、確かに歯ブラシだけでは磨ききれない場所は出てきます。

たとえば歯と歯の間などがそうでしょう。

このような場所には歯間ブラシやデンタルフロスといった補助的な道具が必要になります。

ただし高齢や病気などの理由で、手が動かしづらい場合には電動歯ブラシは、

効果的な道具となるでしょう。

 

Q8「歯槽膿漏【しそうのうろう】と歯周病はどう違うのですか?」

Answer

同じものです。

歯周病は、以前は「歯槽膿漏」とよばれていました。

歯槽膿漏とは歯ぐき(歯肉)から膿(うみ)のでる病気という意味ですが、

その他にもさまざまな症状があることから、今では「歯周病」と呼ぶように

なりました。

 

Q9「丁寧に歯を磨いているのですが、それでも歯石は付くのですか?」

Answer

はい。歯石は唾液中に溶けている石灰成分が歯の表面に沈着したものです。

 プラークで汚れている歯の表面の方がザラザラとしており、より歯石沈着は多いのですが、

歯と歯の間や歯の凹部分など、沈着し易い形のところでは、やはり歯石は付いてくるようです。

 

唾液が口腔内に分泌される部分(唾液腺開口部)に近い部分でも歯石沈着は起こりやすいです。

上顎の奥歯の表側、下顎前歯の裏側などがその場所に当たります。