【野口院長による専門ブログ】第2回「上顎洞底挙上術のための診査・診断および分類について」
前回の上顎洞の解剖を頭に入れたうえで、
今回は上顎洞底挙上術のための診査・診断および分類についてお話します。
通常のインプラントと同様の診査・診断は当然必要ですが、患者様への上顎洞底挙上術が
適応症かどうかを見極めるためのX線診査が非常に重要になってきます。
<上顎洞底挙上術のためのX線診査によるスクリーニング>





◇上顎洞のX線診査
基本的にはデンタルX線写真、パノラマX線写真で診断を行いますが、
上顎洞底挙上術を行う際にはCTなどに代表される断層撮影なども必要であり、
三次元的に上顎洞内外の状態、骨形態などの把握を行うべきと考えます。
<異常上顎洞粘膜の分類>

①解剖学的診査(上顎洞底、鼻腔底、前鼻棘、切歯孔、上顎結節などの位置や形態)
②埋入部位の骨の診査(骨量、骨質、骨幅の状態、歯槽骨頂部の状態(平坦、粗)、梁壁の状態)
③上顎洞の病変の有無(上顎洞炎、嚢胞、腫瘍の有無、上顎洞粘膜肥厚の有無)
◇上顎洞底挙上術
上顎洞へのアプローチの方法としては、歯槽頂からのアプローチと側壁からのアプローチに
大別されます。
現在、歯槽頂からのアプローチとしてはオステオトームテクニックによるソケットリフト法を
採用しています。
上顎臼歯部におけるフィクスチャー埋入において、POIインプラントシステムの径4.2mm、
長さ12mmのフィクスチャーを基準としています。
もし、頬舌的な骨幅や垂直的な骨量が不足している場合は、リッジオグメンテーションが
必須条件となってきます。
ソケットリフトとサイナスリフトの選択は下記に準じて行っています。
<ソケットリフト、サイナスリフトの選択基準>

次回へ続く。